人工甘味料は危険?
人口甘味料は危険だ、という言説を目にすることがあると思います。
あるいは、いやいやそれほど危険なものではないでしょうという意見もあります。
そもそも、食品添加物として使用されている人工甘味料には、何があるのでしょうか。
現在、食品添加物として使用が許可されている人工甘味料(合成甘味料)は全部で6種類あります。
以下、日本での認可順に並べてみました。
日本で認可されている人工甘味料(合成甘味料)
サッカリンナトリウム
砂糖の約500倍の甘さを持つ。
日本での認可は1948年。
現在使用されている合成甘味料の中ではもっとも古くから使用されている。
1973年に動物実験による発がん性の疑いから一時使用が禁止されたが、実験内容に不備があったとのことで同年中に再認可された。
現在は、主に歯磨き粉や漬け物類などで使用されているが、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKといった新しい合成甘味料に置き換えられ、使用量は減ってきている。
アスパルテーム
砂糖の約200倍の甘さを持つ。
日本での認可は1983年。
安全性が疑問視され、アメリカでも長らく認可されなかったいわくつきの合成甘味料。
食品表示では、「アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物」と表記される。
これは、フェニルケトン尿症の新生児が摂取すると脳に障害が起こる可能性があるため、注意喚起としてこのような表示が義務付けられている。
スクラロース
砂糖の約600倍の甘さを持つ。
日本での認可は1999年。
砂糖に近い甘味感で、多くの商品に使用されている。
有機塩素化合物の一種で、体内では代謝・分解されないため、全身をめぐり免疫やホルモンに影響を及ぼす可能性が指摘されている。自然分解も遅く下水で検出されることもあるほど。
アセスルファムカリウム
砂糖の約200倍の甘さを持つ。
日本での認可は2000年。
瞬発力のある甘みが特徴。苦味を伴うことから、スクラロースやアスパルテームと併用されることが多い。
スクラロース同様、分解されずに全身をめぐり腎臓から尿として排出される。動物実験ではリンパ球の減少やGPT増加も報告されている。
ネオテーム
砂糖の約10,000倍もの甘さを持つ。
日本での認可は2007年。
米・モンサント社によって開発された、アスパルテームの改良種。アスパルテームに比べて安定性が高いといわれる。
フェニルアラニンもほとんど含まれないため、アスパルテームでは必要な「L-フェニルアラニン化合物」の表示義務がない。今後使用する商品が増えると思われる。
アドバンテーム
砂糖の最大で約48,000倍もの甘さを持つ。
日本での認可は2014年。
味の素によって開発された、もっとも新しい人工甘味料。
ごく少量の使用で甘味を追加することができるため、メーカーにとってのメリットが大きい。今後使用する商品が増えると思われる。
歴史の浅い人工甘味料
歴史が浅く、これらを人間が長期間摂取し続けた時の影響についても不明な点が多い人工甘味料。
肥満や糖尿病のリスクをかえって高めるといった報告や、体へ悪影響を及ぼすという指摘が多くなされています。
それこそ枚挙にいとまがないところですが、いくつかの記事をご紹介したいと思います。
人工甘味料が及ぼす人体への悪影響を指摘した記事
独立行政法人 農畜産業振興機構
人工甘味料と糖代謝
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001494.html
ダイエット清涼飲料水の習慣的な摂取ががかえって糖尿病発症の危険を高めるといった記事。
In Deep
人工甘味料入りドリンクが「脳卒中とアルツハイマー病の発症率を3倍にする」
http://indeep.jp/all-artificially-sweetened-drinks-give-our-triple-risk-of-stroke-dementia/
アメリカのボストン大学が3000人の成人の被験者を10年に渡って調査した大規模研究で明らかになったこととは。
人工甘味料の「身体破壊の威力」がまたも明らかに
https://indeep.jp/artificial-sweeteners-disrupt-the-gut-bacteria-increasing-diabetes-risk/
欧州糖尿病学会で発表された人工甘味料による腸内細菌の破壊の研究に関する報道。
Gigazine
人工甘味料が耐糖能異常を引き起こして糖尿病を引き起こす可能性
http://gigazine.net/news/20140918-artificial-sweeteners/
人工甘味料の摂取は糖尿病のリスクを上昇させるほか、腸内細菌の代謝異常を引き起こす可能性があるといった記事。
疑わしきは摂取せず
人工甘味料については、その危険性を指摘する声がある一方、カロリーカットに有用で危険性は低いという声もあります。
繰り返しになりますが、人工甘味料は歴史が浅く、これらを人間が長期間摂取し続けた時の影響については未解明な点が多いものです。
「疑わしきは摂取せず」
という観点から、当サイトの立場としては、人工甘味料の日常的な摂取は避けるべきだと考えます。
特に、子どもについては細心の注意を払う必要があります。
というのも、甘いものが好きな子どものほうが、人工甘味料を摂取する(可能性のある)機会が多いからです。
大人は自分の判断、責任において何を食べてもいいですが、子どもの食べるものについては特に気を使うようにしてください。
最近では特に、人工甘味料の摂取が腸内環境に悪影響を及ぼすといった報告が数多くなされています。
免疫の要を司っているのが腸内環境であることは知られており、その腸内環境に悪影響を与える可能性があるのであれば、やはり人工甘味料は摂取すべきではないでしょう。